もくじ/登場人物/あらすじ

【序章】【2年生1学期】【2年生の夏休み】【2年生2学期】更新完了

【2年生3学期】更新中。

【おまけ】は、不定期更新です。


new 第83話:あずちゃん new

Lollipop
7月扉絵“Lollipop”


【バナー】
コピーリンクにてご使用下さい。

 88×31

 200×40

 200×40

 200×40


【もくじ】
サブタイトル末尾に*が付く回は性描写を含みます(15才以上向け)。

【序章】
 第0話:二年三ヶ月後

【2年生1学期】
 第1話:春眠
 第2話:ふたり
 第3話:空席のまま
 第4話:醜聞
 第5話:森のクマさん
 第6話:2+1
 第7話:あだ名
 第8話:4+1
 第9話:仲良く喧嘩しな(前編)
 第10話:仲良く喧嘩しな(後編)
 第11話:人生プラン(前編)
 第12話:人生プラン(後編)
 第13話:ア・ガール・ライク・ユー
 第14話:二度三度、ドアを叩く
 第15話:被弾せり!
 第16話:生き甲斐(前編)
 第17話:生き甲斐(後編)
 第18話:メガネの旦那
 第19話:中途半端
 第20話:スポーツマン精神に則り(前編)
 第21話:スポーツマン精神に則り(後編)
 第22話:疑惑のパサー
 第23話:パピコ
 第24話:ポテコ

【2年生の夏休み】
 第25話:夏祭りへ
 第26話:燃える手(前編)
 第27話:燃える手(後編)

【2年生2学期】
 第28話:夕凪
 第29話:婆さんになっても(前編)
 第30話:婆さんになっても(後編)
 第31話:抱擁(前編)
 第32話:抱擁(後編)
 第33話:メレンゲは甘い香り(前編)
 第34話:メレンゲは甘い香り(中編)
 第35話:メレンゲは甘い香り(後編)*
 第36話:熱を帯びて(前編)
 第37話:熱を帯びて(後編)
 第38話:重ねる
 第39話:溺れる
 第40話:森のクマさん、リプライズ
 第41話:堕ちる
 第42話:悪意のミント(黒ラベル)*
 第43話:先輩!(前編)
 第44話:先輩!(後編)
 第45話:子犬のワルツ(前編)
 第46話:子犬のワルツ(後編)
 第47話:消える
 第48話:嫉妬
 第49話:悪魔が来りて
 第50話:イグニッション
 第51話:うわのそら
 第52話:メサイア
 第53話:ポゼッション
 第54話:十七歳
 第55話:大人になりたい
 第56話:深い森
 第57話:サンドバッグと高嶺の花
 第58話:永久凍土
 第59話:通行手形
 第60話:共鳴
 第61話:その名を呼ぶ*
 第62話:もう少しだけ*
 第63話:少年の季節
 第64話:少年と中毒
 第65話:少年の妄動
 第66話:少年の血潮
 第67話:少年の奸知
 第68話:キスは少年を浪費する
 第69話:少年と恋人
 第70話:微熱少年

【2年生3学期】
 第71話:契り(前編)
 第72話:契り(中編)
 第73話:契り(後編)
 第74話:君のマフラー
 第75話:電話の向こう
 第76話:冷たい横顔
 第77話:みぞれ雪
 第78話:あね・いもうと
 第79話:日曜日
 第80話:その指で
 第81話:気持ち悪い
 第82話:ナンバー・ワン
new 第83話:あずちゃん new
 

【おまけ】
 クイズ・裏設定
  クイズ・裏設定/解答




【登場人物】【あらすじ】
↓続きを読む↓をクリック。

続きを読む "もくじ/登場人物/あらすじ"

|

第83話:あずちゃん

「うん、大丈夫…」
荒牧の落ち着き払った声に、乾は冷静を取り戻した。
「あ、あのっ…、今日はごめんね。邪魔しちゃって…」
「うん?いや、まあ、吃驚したけど。…気にしてるだろうと思って」
気遣うような荒牧の口振りに、乾の心臓が喉の奥まで這い上がって脈を打ち始める。

続きを読む "第83話:あずちゃん"

|

第82話:ナンバー・ワン

駐車場からの長い車列に姉妹は巻き込まれた。家路を急ぐ車が次々に増えて渋滞を起こし、じりじりと進まない。

車内には、エンジンの振動と乾が洟をすする音、なかなか暖まらない空調の音が響いていた。

続きを読む "第82話:ナンバー・ワン"

|

第81話:気持ち悪い

荷物を押し付けて車に積めだの、今度は降りて来いだの、いきなり何なのだろう。乾はいつにない姉の桂の我が儘に、不審ながら従った。

「え…?」
振り返った険しい顔の姉の背後には、いつも教室で見慣れた姿があった。

続きを読む "第81話:気持ち悪い"

|

第80話:その指で

名乗られるまで気付かなかったが、見知らぬ女はなるほどクラスメイトにとてもよく似ていた。肌の白さ、すらりとした四肢は同様に美しい。明るい色に染めた長い髪は丁寧に螺旋を描き、手入れの行き届いた爪には宝石をちりばめたような細工がなされていて、化粧も服装も目を引く華やかさだ。今はまだあどけなさの残るあの子も、何年か経って大人になればこんな感じなのかもしれない。
秋頃「姉に諭された」と乾が話していたっけ。荒牧は乾家の居間のソファの座り心地や、ランプシェードの透かし柄を思い出しながら、女の横顔を盗み見る。


なぎが何度もこちらを振り向きながら映画館のもぎりを通って行くのを眺めて、桂は荒牧に訊いた。
「彼女、幾つ?」

続きを読む "第80話:その指で"

|

第79話:日曜日

二月に入っても乾は見えない何かに囚われたまま、ただ日々を送った。仲間から取り残されないよう、頬を引きつらせながらおもねるのにも徐々に疲れ始めていた。それでも荒牧は相変わらずだ。このまま高校生活の残り一年を過ごすのだろうか。また世界は冷たい灰色に戻った。


ある日曜日、姉の桂が唐突に「買い物に付き合え」と、自転車で行ける距離のららぽーとへ車を走らせた。

続きを読む "第79話:日曜日"

|

第78話:あね・いもうと

去年の秋だっただろうか。もっとさかのぼれば春だ。六歳下、高校二年生の妹・梓の様子が変わった事を、乾桂はまざまざと感じていた。

続きを読む "第78話:あね・いもうと"

|

第77話:みぞれ雪

今朝も姉に「だっさいマフラー」とからかわれたが、乾は意に介さず家を出た。持ち主本人から「あげる」と言われたのだ。身に着けようが、捨てようが、勝手なのだ。
ぐるぐると巻いて耳まで隠すと、切れそうに冷たい冬の風から荒牧のマフラーが守ってくれているような気がした。

三学期もこれまでと変わらない日々が続いた。
しかし、変化は確かに起こっていた。

続きを読む "第77話:みぞれ雪"

|

第76話:冷たい横顔

家族の集う一階の居間から、二階へ向けて呼びかける声が響いた。
「あずちゃーん?お風呂、早く入ってちょうだい」
夕食後から部屋にこもっている次女の梓を気にして、母親は長女の桂(かつら)に言う。
「あずちゃんたら、寝ちゃったのかしら…。お姉ちゃん、見て来て」
「えー?」
おとそ気分に漂いながら呑気にソファに寝そべっていた桂は、気だるそうに生返事をする。「だらしがない」とこぼす父親の声を背に、階段をどたどたと駆け上がった。

続きを読む "第76話:冷たい横顔"

|

第75話:電話の向こう

乾の予感は最悪の形になって荒牧から放られた。

乾の手が震え出す。
年が明けるまで何の連絡もせず、いきなり「会いたい」だなんてメールを出したからだろうか。視聴覚室で密かにキスをした時だって、終業式の日だって、何ら悪い兆候はなかったはずだ…
長い沈黙の中、乾はひたすら思い当たる節を手繰っていた。

「考えたんだけど」
電話の向こうの荒牧の声に乾は我に返る。けれど相槌すら打つ事が出来ない。

続きを読む "第75話:電話の向こう"

|

«第74話:君のマフラー